疲れた心を癒す 青魚缶で叶えるセロトニンごはん
日々の仕事や人間関係で、知らず知らずのうちに心がお疲れになっていませんでしょうか。なんとなく気分が晴れない、疲れが取れにくい、と感じることもあるかもしれません。忙しさから食事がおろそかになりがちで、簡単に済ませてしまうことも増えているかもしれません。
実は、私たちの心の状態と日々の食事は深く繋がっています。特に、心の安定に重要な役割を果たす脳内の神経伝達物質「セロトニン」は、食事から摂る栄養素によってその生成が左右されることが分かっています。
心の安定に欠かせないセロトニンとは
セロトニンは、「幸せホルモン」とも呼ばれる神経伝達物質です。私たちの気分や意欲、睡眠、食欲など、心と体の様々な機能に関わっています。特に、精神を安定させ、リラックス効果をもたらす働きがあるため、セロトニンが不足すると、気分の落ち込みやイライラ、不安感などが生じやすくなると考えられています。
脳内でセロトニンを作るためには、材料となる栄養素を食事から摂る必要があります。その主な材料となるのが、必須アミノ酸の一つである「トリプトファン」です。トリプトファンは体内では作ることができないため、毎日の食事から意識して摂取することが大切になります。
なぜ青魚がセロトニンUPに良いのか
セロトニンの材料となるトリプトファンは様々な食品に含まれていますが、魚類にも豊富に含まれています。中でも、サバやイワシ、サンマなどの青魚は、トリプトファンだけでなく、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった良質な脂質も豊富に含んでいます。
これらのDHAやEPAといったオメガ3系脂肪酸は、脳の健康を保つ上で非常に重要であることが近年の研究で明らかになっています。神経細胞の膜を柔らかく保ち、情報伝達をスムーズにする働きがあると言われており、セロトニンを含む神経伝達物質の働きをサポートする可能性が示唆されています。
つまり、青魚を食べることは、セロトニンの材料(トリプトファン)を摂るだけでなく、セロトニンがスムーズに働くための脳内環境を整えることにも繋がる可能性があるのです。
忙しいあなたに 青魚缶のすすめ
青魚が良いと分かっても、忙しい日々の中で新鮮な魚を調理するのは手間がかかると感じるかもしれません。そこでおすすめしたいのが、青魚の缶詰です。
青魚缶は、骨まで柔らかく煮込まれているため、栄養を丸ごと摂ることができます。また、調理済みなのでそのまま食べられる手軽さがあり、長期保存も可能です。サバ缶、イワシ缶、サンマ缶など種類も豊富で、味付けも多様なので飽きずに続けやすいでしょう。
ここからは、青魚缶を使った、忙しい日の夜や疲れた心におすすめの簡単レシピをご紹介します。特別な材料や複雑な工程は必要ありません。
レシピ1:サバ缶と豆腐のレンジ蒸し
材料(1人分) * サバ水煮缶:1/2缶(約70g) * 木綿豆腐:1/4丁(約75g) * 小ネギ(小口切り):適量 * 醤油:小さじ1/2 * ごま油:小さじ1/2 * おろし生姜(チューブ可):少量
作り方(調理時間目安:5分) 1. 木綿豆腐をキッチンペーパーで軽く水切りし、一口大に崩しながら耐熱皿に入れます。 2. サバ水煮缶を汁ごと豆腐の上にのせます。 3. 醤油、ごま油、おろし生姜を全体に回しかけます。 4. ラップをふんわりかけ、電子レンジ(600W)で2分加熱します。 5. 加熱後、小ネギを散らして完成です。
セロトニンに良いポイント: サバ缶のトリプトファンとDHA/EPAに加え、豆腐もトリプトファンを含む食品です。一緒に摂ることで効率よく材料を補給できます。レンジだけで完成するので洗い物も少なく手軽です。
レシピ2:イワシ缶(味噌煮)とたっぷりネギの混ぜご飯
材料(1人分) * イワシ味噌煮缶:1/2缶(約50g) * 温かいご飯:茶碗1杯分(約150g) * 小ネギ(小口切り):大さじ3 * 白いりごま:小さじ1 * お好みで七味唐辛子:少量
作り方(調理時間目安:3分) 1. ボウルにご飯を入れます。 2. イワシ味噌煮缶を汁ごと加え、イワシを軽くほぐしながらご飯と混ぜ合わせます。 3. 小ネギ、白いりごまを加えてさっくり混ぜます。 4. 茶碗に盛り付け、お好みで七味唐辛子をかけて完成です。
セロトニンに良いポイント: イワシ缶のトリプトファンとDHA/EPAを手軽に摂れます。ご飯と混ぜるだけなので火を使わず、すぐに用意できます。ネギの香りが食欲をそそり、リラックス効果も期待できます。
レシピ3:ツナ缶とアボカドのディップ
材料(2人分) * ノンオイルツナ缶:1缶(約70g) * アボカド:1/2個 * マヨネーズ:大さじ1 * レモン汁:小さじ1/2 * 塩、こしょう:少々 * クラッカーやパン、野菜スティックなど:適量
作り方(調理時間目安:7分) 1. アボカドの皮と種を取り、ボウルに入れます。フォークで粗く潰します。 2. ノンオイルツナ缶は汁気を軽く切って加え、マヨネーズ、レモン汁、塩、こしょうを加えて混ぜ合わせます。 3. クラッカーやパンに乗せたり、野菜スティックに添えたりしてお召し上がりください。
セロトニンに良いポイント: ツナ(マグロ)もトリプトファンを比較的多く含みます。アボカドにはビタミンB6が含まれており、これはセロトニン合成を助ける補酵素として働きます。混ぜるだけで作れるので、手軽に栄養補給できる副菜や軽食になります。
食事からのアプローチを始めてみる
今回ご紹介した青魚缶を使ったレシピは、どれも短時間で簡単に作れるものばかりです。忙しい毎日でも、少しの工夫で食事から心の健康をサポートすることができます。
もちろん、心の状態には様々な要因が影響します。食事だけでなく、十分な睡眠や適度な運動、リラックスできる時間を持つことも大切です。しかし、日々の食事を少し意識することから、心身の変化を感じられるかもしれません。
今日からでも、手軽な青魚缶を食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。美味しい食事を通して、疲れた心が少しでも軽くなることを願っています。