集中力と気分UP 午後に摂りたいセロトニン軽食・飲み物
午後の集中力低下や気分の落ち込み、心当たりはありませんか
ランチを終えて少し経つと、何となくぼーっとしてしまったり、集中力が続かなくなったり、はたまた気分が沈んでしまったりすることは少なくないかもしれません。特に、仕事で忙しい日々を送る中で、午後の時間をいかに効率良く、そして心地良く過ごすかは、パフォーマンスだけでなく心の健康にも関わってきます。
このような午後の心身の状態には、食事が深く関わっている可能性があります。特に、「幸せホルモン」とも呼ばれる神経伝達物質セロトニンの働きが、午後の気分や集中力に影響を与えていると考えられています。
セロトニンとは？午後の心身とどう関係するのか
セロトニンは、脳内で働く神経伝達物質の一つです。気分の安定、安心感、幸福感に関わるほか、集中力や意欲、睡眠など、様々な心身の機能調節に重要な役割を果たしています。セロトニンが不足すると、気分の落ち込みやイライラ、不安感、集中力の低下などが起こりやすくなると言われています。
セロトニンは、食事から摂るトリプトファンという必須アミノ酸を材料にして、体内で合成されます。この合成プロセスには、ビタミンB6やマグネシウムといった栄養素、そして炭水化物も必要となります。
午後の時間帯は、ランチで摂取した栄養素が消化吸収されるタイミングと重なります。また、脳のエネルギー源であるブドウ糖の供給が一時的に不安定になったり、単純な疲労が蓄積したりすることで、セロトニンの働きが影響を受けやすくなることがあります。ここで意識的にセロトニンの材料となる栄養素を補うことが、午後の心身の状態を整える助けになるのです。
手軽にできる！午後のセロトニンUP軽食・飲み物
忙しい午後に、じっくり調理する時間はありません。大切なのは、手軽に摂れて、必要な栄養素を含んでいる食品を選ぶことです。ここでは、コンビニやスーパーで簡単に入手できたり、短時間で準備できたりするセロトニンを意識した軽食や飲み物をご紹介します。
1. バナナ
手軽さで言えば、バナナは優秀な選択肢です。バナナには、セロトニンの材料であるトリプトファン、そしてセロトニンの合成を助けるビタミンB6、さらには脳のエネルギー源となる炭水化物も含まれています。小腹が空いた時に一本食べるだけで、手軽にセロトニン生成に必要な栄養素を補給できます。
2. ナッツ類（アーモンド、くるみなど）
アーモンドやくるみなどのナッツ類は、マグネシウムを豊富に含んでいます。マグネシウムはセロトニン合成に必要なミネラルの一つです。また、良質な脂質も含まれており、腹持ちが良いのも特徴です。無塩のものを選び、片手に乗る程度（約20g）を目安に少量摂るのがおすすめです。
3. ヨーグルト＋フルーツ（バナナ、ベリー類）
ヨーグルトにはトリプトファンが含まれています。これにバナナやいちご、ブルーベリーなどのフルーツを加えることで、セロトニン合成を助けるビタミン類や炭水化物も一緒に摂ることができます。特にバナナとの組み合わせは、トリプトファンとビタミンB6を同時に摂れるので効果的です。無糖ヨーグルトを選び、フルーツの自然な甘みでいただくのが良いでしょう。
4. 豆乳飲料（無調整豆乳）
豆乳はトリプトファンを含む食品です。牛乳が苦手な方でも、無調整豆乳なら比較的飲みやすいかもしれません。温かい豆乳は、それ自体にリラックス効果も期待できます。お好みで無糖の純ココアパウダーを少量溶かすと、ココアに含まれるマグネシウムも一緒に摂れ、さらにセロトニンを意識した飲み物になります。
5. 全粒粉クラッカー＋チーズ
全粒粉を使ったクラッカーは、血糖値の急激な上昇を抑えつつ、セロトニン合成に必要な炭水化物を供給してくれます。チーズにはトリプトファンが含まれています。これらを組み合わせることで、セロトニン生成に必要な要素をバランス良く摂ることができます。クリームチーズやカッテージチーズなど、あっさりとしたタイプのチーズを選ぶと、罪悪感なく楽しめるでしょう。
簡単レシピ例：混ぜるだけ！セロトニンUP軽食
ここでは、火を使わず、混ぜるだけで完成する簡単なセロトニンUP軽食レシピをご紹介します。
バナナヨーグルトナッツ添え
- 材料:
- プレーンヨーグルト: 100g
- バナナ: 1/2本
- アーモンド（無塩）: 5粒程度
- くるみ（無塩）: 2〜3個程度
- 作り方:
- バナナを適当な大きさに切る。
- ヨーグルトに切ったバナナを加えて軽く混ぜる。
- アーモンドとくるみを粗く砕き、(2)の上に散らす。
- 調理時間: 1分以内
- ポイント: バナナ、ヨーグルトからトリプトファンとビタミンB6、ナッツからマグネシウムを効率良く摂れます。お好みでシナモンパウダーを少量かけると、香りも良く、血糖値の安定にも役立つと言われています。
温かい豆乳ココア
- 材料:
- 無調整豆乳: 200ml
- 純ココアパウダー（無糖）: 小さじ1〜2
- お好みではちみつやメープルシロップ: 少量
- 作り方:
- マグカップに豆乳を入れる。
- 電子レンジで様子を見ながら温める（目安：600Wで1分30秒〜2分）。沸騰させないように注意する。
- 温めた豆乳にココアパウダーを入れ、よく溶かす。ダマにならないように、少量ずつ加えて混ぜるのがおすすめです。
- 甘みが欲しい場合は、はちみつなどを加えて混ぜる。
- 調理時間: 3分程度
- ポイント: 豆乳でトリプトファン、ココアでマグネシウムを補給。温かい飲み物は、午後のリラックスタイムにもぴったりです。
午後の時間を心地良く過ごすために
午後の集中力や気分の波は、多くのビジネスパーソンが経験することです。完璧な食事を摂るのが難しい時でも、ここでご紹介したようなセロトニンを意識した手軽な軽食や飲み物を取り入れることから始めてみてはいかがでしょうか。
少しの工夫で、午後の時間をより穏やかに、そして生産的に過ごせるようになるかもしれません。ぜひ、ご自身のライフスタイルに合うものを選んで、試してみてください。心身のバランスを整える小さな一歩が、日々の幸福度を高めることに繋がるはずです。