なんだかイライラする時に 試したいセロトニンUP簡単レシピ
忙しい日々に感じるイライラ、食事でケアできるかもしれません
日々の仕事や人間関係で、なんだか心が落ち着かない、些細なことでイライラしてしまう。そんな経験はありませんか。忙しい毎日を送る中で、知らず知らずのうちに心身に負担がかかっているのかもしれません。
イライラしたり、気分の波が激しくなったりすることは、必ずしも精神論だけで解決できる問題ではありません。実は、私たちの体の状態、特に毎日の食事が心の健康に深く関わっていることが、近年の研究で明らかになってきています。
この記事では、なぜ忙しい時にイライラしやすくなるのか、そしてその心の状態を穏やかに保つために、食事がどのように役立つのかについてお話しします。特に、心の安定に関わる脳内物質「セロトニン」を増やすための具体的な食材や、誰でも手軽に試せる簡単なレシピをご紹介します。
なぜ忙しい時にイライラしやすいのでしょうか? 食事との関係性
忙しさやストレスは、私たちの体に様々な影響を与えます。睡眠不足、疲労の蓄積はもちろんですが、知らず知らずのうちに食生活が乱れてしまうことも少なくありません。食事を抜いたり、手軽な加工食品や甘いものに偏ったりすることで、体に必要な栄養素が不足したり、血糖値が不安定になったりします。
このような栄養不足や血糖値の急激な変動は、脳の働きに影響を与え、集中力の低下、疲労感、そしてイライラといった感情の不安定さを引き起こす可能性があるのです。
また、ストレス自体が特定の栄養素を消費しやすくすることも知られています。特に、セロトニンの生成に必要な栄養素が不足すると、心の平穏を保つのが難しくなる場合があります。
心の安定に関わる「セロトニン」とは
セロトニンは、私たちの脳内で働く神経伝達物質の一つで、「幸せホルモン」とも呼ばれることがあります。感情の安定、気分の調整、質の良い睡眠、そして食欲のコントロールなど、心身の様々な機能に関与しています。セロトニンが不足すると、気分の落ち込み、不安感、そしてイライラといった感情の不安定さに繋がることが示唆されています。
セロトニンは主に脳で作られますが、その原料となるのは、必須アミノ酸の一つである「トリプトファン」です。トリプトファンは体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。さらに、トリプトファンからセロトニンが作られる過程では、ビタミンB6やマグネシウム、亜鉛といった他の栄養素も重要な働きをします。これらの栄養素が不足すると、せっかくトリプトファンを摂取しても、効率よくセロトニンに変換されない可能性があります。
イライラ対策に役立つ食事のポイント
イライラを和らげ、心を穏やかに保つためには、セロトニンの生成を助ける栄養素を意識することに加え、血糖値を安定させるような食事を心がけることが大切ですす。
- トリプトファンを含む食材を摂る: 肉類(鶏むね肉など)、魚類、大豆製品、乳製品、ナッツ類、バナナなどにトリプトファンが多く含まれています。
- セロトニン生成をサポートする栄養素も一緒に摂る: ビタミンB6(かつお、まぐろ、鶏むね肉、バナナなど)、マグネシウム(大豆製品、海藻類、ナッツ類、ほうれん草など)、亜鉛(肉類、魚介類、ナッツ類など)を、トリプトファンと組み合わせて摂取するのが理想的です。
- 血糖値を安定させる: 空腹時の血糖値の急激な低下や、甘いものなどによる急な上昇は、気分のムラを引き起こすことがあります。食事を抜かないこと、食物繊維が豊富な野菜やきのこ、海藻などを食事の最初に摂ることで、血糖値の急上昇を抑えることが期待できます。また、精製された炭水化物よりも、全粒穀物など複合炭水化物を選ぶことも有効です。
- 腸内環境を整える: セロトニンの大部分は、実は脳ではなく腸で作られていることが分かっています。腸内環境を良好に保つことは、セロトニンの生成や働きにも良い影響を与えると考えられています。発酵食品(ヨーグルト、味噌、納豆など)や食物繊維を積極的に摂りましょう。
手軽にできる!イライラを落ち着かせるセロトニンUP簡単レシピ
これらのポイントを踏まえた、忙しい時でも手軽に作れるレシピを2つご紹介します。
レシピ1:きのこたっぷり!鶏むね肉とほうれん草の味噌バター炒め
ポイント: トリプトファンとビタミンB6が豊富な鶏むね肉に、マグネシウムと食物繊維を含むきのこ・ほうれん草を組み合わせました。味噌の発酵パワーも加わり、セロトニン生成に必要な栄養素を効率よく摂取できます。バターの風味で満足感もあり、ご飯が進む一品です。
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材料(1人分):
- 鶏むね肉(皮なし): 80g
- お好みのきのこ(しめじ、エリンギなど): 50g
- ほうれん草: 1/4束 (約50g)
- にんにく(みじん切り): 1/2かけ分
- [A] 味噌: 大さじ1/2
- [A] みりん: 大さじ1/2
- [A] 酒: 大さじ1/2
- バター: 5g
- サラダ油: 小さじ1
- 塩、こしょう: 少々
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作り方:
- 鶏むね肉は1cm厚さのそぎ切りにし、塩、こしょうを振る。きのこは石づきを取り、食べやすい大きさに切る。ほうれん草は根元を切り落とし、よく洗ってざく切りにする。
- [A]の調味料を混ぜ合わせておく。
- フライパンにサラダ油とにんにくを入れて弱火で熱し、香りが立ったら鶏むね肉を加えて中火で炒める。
- 鶏むね肉の色が変わったらのこを加えて炒め合わせる。
- きのこがしんなりしたらほうれん草を加えてさっと炒め、ほうれん草が鮮やかな緑色になったら、混ぜておいた[A]を加えて全体に絡める。
- 火を止める直前にバターを加えて混ぜ溶かす。器に盛り付けたら完成です。
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おおよその調理時間: 10分
レシピ2:簡単具沢山!とろろ昆布と豆腐、わかめの味噌汁
ポイント: トリプトファンを含む豆腐、マグネシウムや食物繊維が豊富な海藻(わかめ、とろろ昆布)を組み合わせた、体の内側から温まるお味噌汁です。味噌の発酵パワーも加わり、手軽にセロトニンUPをサポートします。乾燥わかめととろろ昆布を使えば、包丁いらずでさらに簡単です。
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材料(1人分):
- 豆腐(絹ごしまたは木綿): 1/4丁 (約75g)
- 乾燥わかめ: 小さじ1
- とろろ昆布: ひとつまみ (約1g)
- 顆粒だし: 小さじ1/2
- 味噌: 大さじ1/2〜1
- 水: 200ml
- お好みでねぎなど薬味
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作り方:
- 豆腐は1.5cm角に切る。乾燥わかめは袋の表示通りに戻しておく(または戻さずそのまま)。
- 鍋に水と顆粒だし、戻したわかめ(または乾燥わかめ)、豆腐を入れて火にかける。
- 煮立ったら火を弱め、豆腐に火が通るまで1〜2分煮る。
- 火を止める直前に味噌を溶き入れる。
- 器にとろろ昆布を入れておき、その上から味噌汁を注ぐ。お好みで刻みねぎなどを散らしたら完成です。
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おおよその調理時間: 5分
これらのレシピは、手軽に作れて必要な栄養素を摂取できる工夫がされています。忙しい日の夕食や、少し小腹が空いた時にもおすすめです。
食事だけでなく、心身全体のケアを
食事は心の健康を保つ上で非常に大切ですが、それだけで全てが解決するわけではありません。十分な睡眠をとる、軽い運動をする、趣味の時間を作る、リラックスできる時間を持つなど、心身全体をケアすることも重要です。これらの生活習慣とバランスの取れた食事を組み合わせることで、より穏やかな心と健やかな体を育むことができるでしょう。
食事から始める心の穏やかさ
忙しい毎日の中で感じるイライラは、体からのSOSかもしれません。この記事でご紹介したように、食事を少し意識することで、心の状態が穏やかになる可能性があります。セロトニンの生成に必要な栄養素を摂る、血糖値を安定させる、腸内環境を整える。これらのポイントを踏まえ、手軽なレシピから試してみてはいかがでしょうか。
食事を通じて、あなたの心と体が少しでも軽やかになることを願っています。