手軽に栄養バランス◎ セロトニンをまとめて摂る簡単どんぶり
忙しい毎日に寄り添う、セロトニンを意識した食事の選択
日々の仕事に追われ、食事はつい簡単に済ませてしまったり、不規則になったりしていませんか。疲労やストレスが蓄積すると、気分が晴れなかったり、小さなことで落ち込んだりすることもあるかもしれません。
実は、私たちが口にする食事は、体の健康だけでなく、心の状態にも深く関わっています。特に、「幸せホルモン」とも呼ばれる神経伝達物質、セロトニンは、心の安定や幸福感に重要な役割を果たしています。このセロトニンを体内で十分に作り出すためには、特定の栄養素をバランス良く摂ることが大切になります。
セロトニン生成に必要な栄養素とその連携
セロトニンは、必須アミノ酸の一種であるトリプトファンから体内で合成されます。しかし、トリプトファンを摂るだけでは十分ではなく、その合成過程にはビタミンB6や炭水化物なども不可欠な栄養素として関わっています。
- トリプトファン: セロトニンの「材料」となります。乳製品、大豆製品、ナッツ類、魚、肉などに含まれます。
- ビタミンB6: トリプトファンからセロトニンを合成する際の「触媒」として働きます。魚、肉、バナナ、パプリカなどに豊富です。
- 炭水化物: 炭水化物を摂取すると血糖値が上昇し、インスリンが分泌されます。このインスリンの働きによって、血液中のトリプトファンが脳へ運ばれやすくなります。ご飯やパン、麺類などがこれにあたります。
つまり、これらトリプトファン、ビタミンB6、炭水化物を単独で摂るのではなく、一緒にバランス良く摂ることが、セロトニンを効率的に生成するためには重要になるのです。
忙しいあなたに「どんぶり」が良い理由
セロトニン生成に必要な栄養素をまとめて摂りたいと思っても、複雑な料理を作る時間がないという方も多いのではないでしょうか。そこでおすすめしたいのが「どんぶり」という食事スタイルです。
どんぶりは、ご飯の上に主菜や副菜を乗せるだけで一食が完結するため、洗い物も少なく、調理時間も短く済ませやすい点が大きなメリットです。また、ご飯(炭水化物)をベースに、トリプトファンやビタミンB6を含む具材を組み合わせることで、セロトニン生成に必要な栄養素を無理なく一皿で摂取しやすい利点もあります。
セロトニンUPを意識した簡単どんぶりレシピ例
ここでは、手軽に作れてセロトニン生成に必要な栄養素をバランス良く含む、簡単などんぶりレシピをいくつかご紹介します。どれも特別な調理器具や複雑な工程は不要です。
1. ツナマヨと卵のふんわり温玉丼
手軽なツナ缶と卵を使った、包丁いらずの簡単どんぶりです。
- 材料(1人分):
- ご飯:茶碗1杯分
- ツナ缶(水煮または油漬け):1缶
- マヨネーズ:大さじ1〜2
- 醤油:少々
- 卵:1個
- (お好みで)刻みねぎ、七味唐辛子:適量
- 調理時間: 約5分
- 作り方:
- ツナ缶の油(または水)を軽く切ります。
- ボウルにツナとマヨネーズ、醤油を入れて混ぜ合わせます。
- 温かいご飯の上に2を乗せます。
- 卵は沸騰したお湯で約7〜8分茹でて殻をむき、半分に切るか粗く刻んでご飯に乗せます。または、温泉卵(市販品でも可)を乗せても良いでしょう。
- お好みで刻みねぎや七味唐辛子を散らして完成です。
- セロトニンUPポイント: ツナはトリプトファンとビタミンB6の供給源です。卵もトリプトファンを含みます。ご飯は脳へのトリプトファン輸送を助ける炭水化物源となります。
2. 鶏ひき肉と豆腐の甘辛そぼろ丼
トリプトファン豊富な鶏肉と大豆製品(豆腐)を組み合わせたレシピです。
- 材料(1人分):
- ご飯:茶碗1杯分
- 鶏ひき肉:80g
- 木綿豆腐:1/4丁(約75g)
- 醤油:大さじ1.5
- みりん:大さじ1
- 砂糖:小さじ1/2
- (お好みで)おろし生姜:小さじ1/2、冷凍いんげんや枝豆:適量
- 調理時間: 約10分
- 作り方:
- 豆腐はキッチンペーパーで軽く水気を拭き、粗く崩します。
- フライパンに鶏ひき肉とお好みでおろし生姜を入れて中火で炒めます。色が変わってきたら豆腐を加えてさらに炒め合わせます。
- 醤油、みりん、砂糖を加えて汁気が少なくなるまで炒め煮にします。冷凍野菜を加える場合はここで一緒に加熱します。
- 温かいご飯の上に3を乗せて完成です。
- セロトニンUPポイント: 鶏肉と豆腐はどちらもトリプトファンが豊富です。鶏肉にはビタミンB6も含まれます。甘辛い味付けでご飯(炭水化物)も進みやすいでしょう。
手軽さを追求するならアレンジも
これらのレシピはあくまで一例です。忙しい時は、冷凍のそぼろを使ったり、市販のカット野菜を活用したりするのも良いでしょう。ご飯を玄米や雑穀米にすることで、ビタミンB群や食物繊維をさらにプラスすることも可能です。
また、どんぶりの具材に、セロトニン合成をサポートするマグネシウムを含む食材(海藻類、ナッツなど)や、腸内環境を整える食物繊維を含む食材(きのこ、野菜、海藻など)を少量加えることで、より一層、心身をサポートする食事になります。
食事を通じて、心穏やかな毎日へ
セロトニンを意識した食事改善は、何も特別なことではありません。毎日の食事に、セロトニン生成に必要な栄養素を含む食材を少し意識して取り入れることから始められます。ご紹介したどんぶりレシピのように、手軽な方法でも十分に栄養バランスを整えることは可能です。
毎日の食事が、あなたの心と体の両方を支える大切な時間となることを願っています。小さな一歩から、食事を通じて心穏やかな毎日を目指してみませんか。